俐楽帖

リアル「ジキルとハイド」の手記

レターセットを返品した日

普段ウィンドウショッピングに留めているお店に、わけあって飛び込んだ。

そこには縦書きの封筒と便箋はなかったが、横書きの白いそれらはあったので、何も無いよりはましだと購入した。

その後入ったコンビニ2軒に散らばるように、縦書きのそれらがあったので、私はそれを鞄に忍ばせて出社した。

結局のところ、既に必要書類は用意されており、いずれの「レターセット」も使わなかった。それが何だか勿体なくて、はじめのお店で買ったレターセットを返品することにした。

返品なんて何年ぶりだろう。店員さんは快く応じてくれた。レターセットを差し出しながら、その場を繋ぐように言った。「手紙を書くことがなくなったので…」と。恐らく店員さんは予想できなかっただろうと思う。

私が書こうとしていたのは、退職願であると。